Column
2024年3月12日
目次
▼オリジナルのアパレルブランドの立ち上げには資格が必要?
▼オリジナルのアパレルブランドの立ち上げにかかる費用
▼オリジナルのアパレルブランドの販売方法
―実店舗で販売する
―イベント等に出店して販売する
―オンラインで販売する
H2. オリジナルのアパレルブランドの立ち上げ方
―1.コンセプトを決める
―2.ブランドネームやロゴを決める
―3.商品は自社で製造するか仕入れるか決める
商品を自社で製造する場合
商品を仕入れる場合
―4.商品を作成する
―5.タグを作成する
―6.商品のプロモーションをする
―7.商品を販売する
▼オリジナルのアパレルブランドの立ち上げ方時に必要な手続き
―商標登録
―開業届
▼オリジナルのアパレルブランドを成功させるためのポイント
―ターゲットを明確にする
―他社調査を行う
―集客活動を計画的に行う
▼まとめ
「アパレルブランドを立ち上げて洋服を販売してみたい」─そんな想いを抱えながらも、何から始めたらよいかわからないと考えている方は多いのではないでしょうか。オリジナルのアパレルブランドの立ち上げには、様々な準備が必要です。
オリジナルのアパレルブランドの販売方法や立ち上げ方を押さえたうえで、成功するためのポイントについても触れていきます。
オリジナルのアパレルブランドを立ち上げるために特別な資格は必要なく、行政官庁の許認可も必要ありません。アパレルブランドを立ち上げるための資金があり、ブランドのコンセプトを立案し、商品の企画・製作を行っていけるのであれば、誰でもできます。
オリジナルのアパレルブランドの立ち上げには、実店舗を構える場合には1,000万円を超える費用が必要です。店舗を借りるための賃貸契約費用として、保証金や礼金、仲介手数料、前家賃などかかり、家賃は毎月発生します。店舗の内装工事費用、設備や什器などの購入費用も必要です。このほかにも、商品の仕入れ資金や法人化する場合には登記費用など会社設立費用がかかります。
ネットショップを開設する場合は、店舗の賃貸契約費用や月々の家賃、内装工事費用、設備や什器などの購入費用がかからないため、初期費用を抑えられます。ECサイトの開発には100万円以上の費用が必要ですが、ネットショップ作成サービスを利用する場合には、初期費用不要のプランもあります。
また、フリーマーケットやポップアップストアへの出店も、立ち上げ費用を抑えられる方法です。たとえば、フリーマーケットの出店料は1日3,000円~数千円程度が相場です。ポップアップストアの出店料の相場は1日1万円~2万円程度、立地や広さによっては数万円程度で、什器のレンタル費用なども発生しますが、出店日数に応じた費用負担となります。
個人で制作したオリジナルアパレルブランドのグッズを販売するには、主に次の3つの方法があります。
メリット | デメリット | |
実店舗で販売する | ・立地や内装、ディスプレイにこだわることができる。
・実際に商品を手にとることや試着が可能。 ・お客様にとって安心感がある。 ・お客様のリアルな反応を見られる。 |
・初期費用のほか、家賃や光熱費などのランニングコストがかかる。
・営業時間が限られている。 ・店舗の立地によって、購入できる人が限られる。 |
イベント等に出店して販売する | ・出店料が安い。
・実際に商品を手にとってもらえる。試着ができるケースもある。 ・お客様のリアルな反応を見られる。 ・自分のブランドの商品が売れるか試せる。 |
・一時的な出店となる。 |
オンラインで販売する | ・初期費用やランニングコストを抑えられる。
・全国の人に向けて、時間を問わず販売できる。 |
・商品を手にとってみることができない。
・ネットを利用する層にしか販売できない。 |
オリジナルのアパレルブランドの立ち上げのための潤沢な資金を用意できる場合には、立地や内装、ディスプレイにこだわった店舗をつくり、お客様に実際に商品を手にとってもらえる実店舗での販売がおすすめです。初期費用を抑えて、対面
で販売したい場合には、イベント等へ出店すると、売れる商品か試すことができます。初期費用やランニングコストを抑えて全国の人にむけて販売したい場合には、ネットショップなどでのオンライン販売がおすすめです。
実店舗の販売では、出店する店舗の立地や内装、ディスプレイなどを自分で決めて運営できます。お客様に実際に商品を手にとってもらい、試着もできるという点が、大きなメリットです。商品の質感やサイズ感は写真や説明文だけでは適切に伝わりにくいことがあります。
また、実店舗では接客の際にお客様からのニーズを把握したり、商品に対する反応を見たりすることができます。対面での販売は、お客様に安心して購入していただけることもメリットです。
一方で、実店舗での販売は、初期費用やランニングコストがかかることがデメリットに挙げられます。また、実店舗では営業時間内の販売に限られるほか、立地によって来店できるお客様が限定されます。
実店舗での販売がおすすめなのは、ブランド立ち上げのための資金力がある人です。
フリーマーケットやポップアップストアなどイベント等への出店による販売は、実店舗を持つよりも費用を抑えられることがメリットです。出店料はかかりますが、日数に応じた料金が発生するのが一般的です。
イベント等への出店は、一時的な出店に限られることがデメリットになりますが、自分のブランドの商品が売れるのか確かめられるというメリットにもなります。
ブランドの方向性を確認するためにお試し販売をしたい人には、イベント等への出店が向いています。
ネットショップなどでのオンライン販売は、初期費用を抑えられることがメリットです。ネットショップ作成サービスによっては、初期費用や月額費用が無料で、商品が売れたときのみ販売手数料が発生するプランが提供されています。SNSを活用してコストをかけずに集客を図ることできます。また、オンラインでの販売なら、24時間いつでも購入してもらうことが可能で、全国に向けて販売できることもメリットです。
ただし、商品を手に取ってみたり、試着をしたりすることができない、あるいはインターネットの利用者しか顧客層にならないといったデメリットがあります。
オンラインでの販売はネットショッピングを頻繁に利用する層をターゲットにするケースで、初期費用を抑えたい場合に向いています。
オリジナルのアパレルブランドの立ち上げは次に挙げる手順で進めていくのが基本です。並行して資金の準備を進めていくことが必要です。自己資金で賄えない場合には、銀行からの融資を受けるほか、最近ではクラウドファンディングで資金を募る方法もとられているほか、補助金や助成金が活用できることもあります。
まずはブランドのコンセプトを決めます。コンセプトはブランドの核となる価値です。「どのような人にどのような商品の販売を通じて、どのような価値を提供していくか」という視点から、コンセプトを考えていきます。
ブランドのコンセプトが曖昧な場合は、ブランドの方向性がブレてしまいがちです。長く愛されるブランドをつくるためには、コンセプトを明確に打ち出しましょう。
ブランドのコンセプトを決定したら、ブランドネームやロゴを決めていきます。
ブランドネームを決めるときには、コンセプトに沿ったワードや関連するワードを、できるだけ多く挙げていきます。そして、既存のワードを組み合わせて造語をつくったり、英語など別の言語に変えみたりするなど検討を重ねます。長すぎるブランドネームは覚えにくいため、簡潔な名前をつけるのがポイントです。
そして、候補となるブランドネームが決まったら、同じブランドネームが既に使われていないかチェックし、使われている場合は避けます。Googleなどの検索エンジンで検索し、特許情報プラットフォームで商標検索を行います。同じブランドネームが使われていると覚えてもらいにくいだけではなく、商標登録がされている場合は法的措置をとられる可能性があるためです。
ブランドロゴの制作は、無料のロゴ作成サイトで自分で作る、クラウドソーシングサービスを利用する、デザイン会社に依頼するといった方法があります。一般的にクラウドソーシングサービスを利用すると、デザイン会社に依頼するよりも費用を抑えられます。
販売する商品を自社で製造するか、あるいは既製品を仕入れるか決定します。いずれの方法をとるかによって、販売に至るまでの工程や必要となる資金が大きく異なります。
商品を自社で製造する場合には、まずは商品のイメージを作成します。次にイメージをもとにデザインを決定し、生地や副資材を選定。ファーストパターンと仕様書を作成します。そして、ファーストサンプルを製作し、必要に応じて修正を行い、マスターパターンを決定します。この段階で量産化した場合の見積を依頼します。その後、量産化に向けて、量産パターンと仕様書を調整し、量産用の生地や副資材を調達した後、量産が開始するという流れです。
商品を自社で製造する場合には、デザイナーやパタンナーなどのプロの力が必要であり、資材メーカー、サンプル製作や量産のための縫製工場も見つける必要があります。
ただし、縫製工場によってはイメージやデザインのイラストをもとに、パターンや仕様書の作成から請け負い、生地が副資材の提案を行っています。あるいは、アパレル生産の企画から納品までをサポートするサービスを利用する方法もあります。
商品を仕入れる場合には、問屋や仕入れサイトを利用して既製品を仕入れます。
問屋に足を運んで商品を仕入れる方法は、実店舗での販売実績など取引条件が設けられていることが多く、一からブランドを立ち上げ場合は、当初の利用はハードルが高いです。
一方、仕入れサイトも審査があることが多いですが、個人やネットショップを立ち上げたばかりといったケースでも、比較的利用しやすいです。仕入れサイトによっては、登録料や月額利用料が必要になります。ただし、仕入れサイトは利用しやすいものの、競合のショップでも同じ商品を取り扱っていることが多いため、価格競争になりやすいことが懸念される点です。
国内だけではなく、中国など海外の仕入れサイトを利用する方法もあります。
自社で商品を製造する場合には縫製工場に発注し、商品を仕入れる場合には仕入れサイトなどを利用し、販売する商品を用意します。在庫を過剰に抱えてしまうと資金繰りの悪化につながるため、販売計画にもとづいて、適正な数量の発注を行うことが大切です。
家庭用品品質表示法において、国内で繊維製品を日本国内で販売する場合は洗濯表示ネーム(タグ)の取付が義務付けられています。繊維の組成や洗濯絵表示、表示者名・連絡先の記載が必要です。
自社で製造する場合は、副資材として洗濯表示ネーム(タグ)を作成し、縫製工場で製造の過程で縫い付けてもらいます。商品を仕入れる場合は、通常、洗濯表示ネーム(タグ)は縫い付けられていますので、ついていれば対応は不要です。中国など海外から仕入れた場合には洗濯表示ネーム(タグ)を作成し、縫い付ける必要があります。
洗濯表示ネーム(タグ)の作成は、アパレルメーカー向けにタグを製作している事業者に依頼できます。
販売する商品を用意したら、アパレルブランドの認知を広めて集客していくためのプロモーションを行います。
WEB広告を出稿する方法もありますが、実店舗もネットショップも、SNSを活用する方法が効果的であり、プロモーション費用を抑えられます。アパレルブランドのプロモーションでは、特にInstagramが活用されています。たとえば、自社のアイテムを使ったコーディネート提案を発信するといった方法があります。
商品の準備と並行して販売方法に応じて準備を進めておきます。
実店舗であれば店舗物件を探して賃貸契約を結び、内装工事を行い、設備や什器を用意しておきます。そして、商品の用意ができたらディスプレイします。
フリーマーケットやポップアップストア、イベントへの出店を行う場合には、出店者の募集情報を探して申し込みをします。ネットショップで販売する場合は、ネットショップ作成サービスなどを利用して、ネットショップの作成や商品の登録などを行います。
こうした準備を経て、いよいよ商品の販売を開始します。
オリジナルのアパレルブランドの立ち上げる際には、商標登録と開業届の提出の2つの手続きが必要です。
商標とは、商品やサービスを他者と識別するためのネーミングやマークのことです。商標登録とは、商標を特許庁に出願して登録を行うことをいいます。
商標登録によって、自分の商標として独占的に使えるほか、商標を勝手に使用されたり、模倣されたりするのを防ぐことができます。反対に誰かに先にブランド名の商標登録をされてしまうと、使用できなくなる恐れがあるため、商標登録が必要です。
商標登録を行う際には、願書を作成して特許庁に出願しますが、インターネットでの手続きも可能です。ただし、個人では手続きのハードルが高いため、弁理士に依頼する方法もあります。
開業届とは、個人が事業を開始したことを税務署に知らせるためのものです。開業届は必ずしも必要ではありませんが、オリジナルのアパレルブランドを立ち上げる場合は、営利目的で事業の反復性があるため、定期的な事業所得があることを見込んで提出しておくのが妥当だと考えられます。開業届の提出によって、屋号で金融機関の口座がつくれるようになる、税務上有利な青色申告をできるといったメリットがあります
開業届は、住所地、もしくは事業所や実店舗を管轄する税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。開業の日から1か月以内が提出期限です。
オリジナルのアパレルブランドを成功させるためのポイントとして、次の3つが挙げられます。
オリジナルのアパレルブランドで企画する商品やプロモーションの方向性がブレないようにするには、ターゲットを明確にして、ペルソナを設定しておくことが大切です。他社調査を行っておくことで、類似する商品を販売するような事態を避けられます。また、継続的に売上を確保していくには、計画的な集客活動を実施することがた
オリジナルのアパレルブランドを立ち上げてオリジナルグッズを販売する際には、コンセプトをもとにターゲットを明確に設定することがポイントです。ターゲットがブレてしまうと、誰に向けて展開する商品なのか不明瞭になり、ニーズにあった品揃えになりにくいため、失敗してしまいがちです。
ターゲットは年齢や職業、趣味などを設定します。さらに、ライフスタイルや価値観などを含めた詳細な人物像を描いたペルソナを設定すると、ペルソナが求めることを軸に考えていけるため、商品の企画やプロモーションの方向性を決めやすくなります。
個人で製作したオリジナルグッズを販売する場合はは、検索エンジンで調べるなどして他社調査を行い、類似するブランドや商品がないかチェックします。コンセプトや商品があまりにも似通っている場合には、訴訟を起こされたり、商品の販売中止を求められたりするリスクがあるためです。また、消費者からも模倣しているというネガティブなイメージを持たれる可能性があります。
お客様が誰も来なければ、売上には結びつかないため、オリジナルのアパレルブランドで成功するには、集客活動を定期的に行うこともポイントです。実店舗では、立地条件によっては通りがかりの人がふらっと立ち寄ることも考えられますが、ネットショップは集客のための施策を展開しなければ、訪問者はほぼいない状態が続くことが考えられます。
販売開始前からInstagramなどのSNSでブランドの情報を発信し、ファンづくりをしていくことが大切です。また、リピーターを獲得していくためには、SNSなどでキャンペーンの告知を行います。
オリジナルのアパレルブランドを立ち上げるのに特別な必要はなく、資金などを用意できれば、誰でもチャレンジできます。ただし、コンセプトの決定やブランドネームやロゴの決定、商品の入手方法の決定、プロモーションなど、様々な準備が必要です。実店舗の運営には多額の資金が必要となるため、用意できる資金によっては、まずはネットショップから始めることを検討してみましょう。
ミミノテックスでは、ホーローマグカップやグラスへの印刷サービスを提供しています。長年にわたって培ってきた工業印刷のノウハウがあり、曲面への繊細な柄の印刷を得意としています。小ロット・短納期で納品が可能です。オリジナルのアパレルブランドのノベルティの製作などにぜひご活用ください。